※アメブロで公開していた記事をこちらに引っ越ししました。
セーブデータが消えたゲームボーイカセット
在宅勤務が続く中、気分転換に断捨離を思い立ったんですが、古いゲームを発掘。
初代ゲームボーイとゲームボーイアドバンス、それとカセットをいくつか。
本体は動きましたが、ソフトの方はバックアップ電池切れ。
ポケモン達も消えてます。
ということで断捨離は置いといて、電池交換して復活させます。
この手の電池交換ノウハウは、いろんな方が記事にしてますので今更なのですが、自分の記録として残しておきます。
ゴールは、ゲームボーイカラー用ポケットモンスター金の電池交換。
その前に、何年かぶりのはんだ付け作業なので練習用にたまごっち2に犠牲になってもらいます。
その後、本番のポケモン金に臨みます。
道具調達
こんな感じで揃えました。写真に写ってませんがはんだごても必要です。
DTC-20、又は特殊ネジ用ビット
任天堂のゲームカセットを開けるには、DTC-20という工具が必要です。
ちゃんとしたブランドの工具だと、そこそこのお値段します。
ソケットドライバーを持っている場合は、先っぽのビットだけを買うと比較的リーズナブルです。
自分はAmazonでビットだけ調達して、大昔に買った小さいラチェットレンチと組み合わせて使うことにしました。
合体するとこんな感じ。
ハンダ吸い取り線
今回は手持ち切らしてたのでホムセンで買いました。
幅と長さが色々あるのですが今回は幅3mmでちょうど良かったです。
糸はんだ
素性が良くわからない余り物があったのでこれを使います。
たぶんヤニ入りかと。
ハンダゴテ
ハンダゴテは温度調節あった方が無難です。
というか、はんだ付け作業するなら少し無理してでも温度調節付きのコテを買いましょう。
ここをケチって基板を壊してしまったら元も子もないですから。
自分はプロ用のお古を譲ってもらったので、それを使ってます。
イメージとしてはこんな感じで、まともに買うとお高いですね。
ここまでゴージャスじゃなくても、せめてコテ台があると安全だし作業が捗りますよ。
その他工具類
- ピンセット
- ラジオペンチ
- ニッパー
交換用のコイン電池
「タブ付きコイン電池」
というものが必要です。
今回はCR2032を調達しました。
ポケモンカセットの電池とは型番が違いますが、電圧は同じですので問題ありません。こちらの方が容量が大きく長持ちするはずです。
サイズ、特に厚みには注意が必要ですが、これも大丈夫です。
ポチったところPanasonicブランドの海外産の電池が届きました。
聞いたことないメーカーよりは安心ですね。
この電池のタブ端子の形状は様々なタイプがあります。
完全にGBカセット標準品と同じ端子形状のものを調達すると簡単なのですが、今回は端子形状の互換性は目を瞑り、価格優先で選びました。
カセットを開ける
道具があれば簡単です。
ネジを外して、ケースを上下にズラすだけで簡単に開きます。
コイン電池付きの基板が見えました。
ネジ止めはもう無いので、下ケースから基板を取り出します。
古い電池を外す
ここからハンダゴテ作業。
ICを壊してしまうので静電気に注意が必要です。
静電気対策のアイテムは持ってないので、気休め程度に家電製品の金属部分とか触って体の静電気を抜きます。
セーターとかフリースも着ない方が良いですね。
- ハンダゴテの電源を入れて、適正温度になるまで待ちます。350℃くらいに設定してみます。
温度調整付きだと簡単安心です。 - 温度が上昇したら一度コテ先をきれいに掃除しておきます。
- ハンダ吸い取り線を電池の電極に載せその上からハンダゴテを当てて、古いはんだを吸い取ります。
- 端子の面積が広いので熱量が足りないようです。
ちょっとハンダゴテの温度を上げます。
380℃くらいにして長めにコテを当てます。 - これではんだが溶けて上手く行きました。
これをプラスマイナス両方の電極で行います。
チップ抵抗が電池電極の近くにあるので、触れないように気を付けます。 - はんだが概ね取れたら、ピンセットで電池をつまみつつ、片方の電極に直接ハンダゴテを当てて残ったはんだを溶かします。
- はんだがしっかり溶け切れば、電池は自然に外れてきます。
無理やりピンセットで剥がすと基板側を壊してしまいますので気をつけます。 - もう片方の電極を外せば電池がぽろっと取れます。
- 最後に、プリント基板側の電極に残ったはんだをハンダ吸い取り線でキレイにすれば完了です。
新しい電池を準備する
不良品が混じっているかもしれないので、念のためテスターで電圧を測ります。3V以上あればOKです。
新しい電池は直径、厚み、電極の形が違いますがそれはなんとかなります。
ラジオペンチを使って古い電池と同じ形に電極を整形します。
電池の表と裏を逆にしないと、マイナス側の電極の長さが足りません。
機能的には問題無いですが、取り付けの時に逆につけないように気をつけないとです。
話は戻って整形の方は、基板に接する面が平らになればOKです。
少し足が長いので先端をニッパーでカットします。
この電池は端子の先が細くなっているので切りやすかったです。
なかなか良いチョイスでした。
裏返すとこんな形。
基板に当ててみて、はんだ付けする電極パッドからはみ出さなければOKです。
電池の直径が違っても、この電極をはんだ付けできれば固定されるので問題ないはずです。
本当は電池の電極にフラックスを塗りたいところですが、手持ち在庫がありません。
ハンダゴテを当てて、糸はんだを少し溶かして付着させておきます。
はんだがキレイに伸びて電極を包みましたので、はんだ付け性はこれで問題なさそうです。
準備作業はこれで完了です。
新しい電池をはんだ付けする
ここまで段取りが整ってしまえばあとは簡単です。
ハンダゴテにも慣れてきたので行けますね。
- 基板にプラス、マイナスの記号が書かれていますので、間違えないように基板の電極パッドに新しい電池を載せます。
- ハンダゴテを電池の電極に当てて、基板のパッドと共に加熱します。
- 糸はんだをコテ先に送り込み、はんだを溶かします。
- 電極とパッドにはんだがキレイに流れたら、糸はんだとハンダコテを外します。
久々でしたが、なんとか取り付け出来ました。
電池、メイドインインドネシアでしたね。
もともとの電池はCR1616だったのでだいぶ大きくなりましたが、まぁ大丈夫でしょう。
カバーを取り付ける前に念押し。
整形のときにも書きましたが、電池の表裏が逆になります。
最後にもう一度電池のプラスマイナスの向きを確認します。
間違えていたらはんだを外して付け直しになります。
組み立てと動作確認
静電気に気を付けて、なるべく電極や電子部品に直接触らないようにしてカバーを取り付けます。
電池の厚みは増しましたが問題無くカバーは閉まりました。
あとはゲームボーイに挿入して、ゲームを起動してデータをセーブしてみます。
うまく行きました!「つづきから」の表示がちゃんと出ています。
このゲーム、遊んだ記憶が全くないので、データセーブするまでの作業が一番手間取ってます。
そもそも「たまごっち2」なんて、なんで手元にあるんだっけ?
福袋とかに入ってたハズレアイテムだったでしょうか。
本番ポケモン金
いよいよ本番。
作業は同じなので、違うところだけ写真を載せておきます。
ゴールドのラベルとホウオウがカッコイイですね。
ポケモンの電池はCR2025。たまごっち2より一回り大きいです。
データ量が大きかったり、時計を内蔵してるからでしょうか。
やることは同じ繰り返しなので結果だけ。
こっちはキレイに収まりました。
最初のポケモンにチコリータを選んで、とりあえずセーブします。
はい。無事成功です。
たまごっち2の練習のおかげで流れ作業で終わりました。
まとめ
道具さえあればほんとに簡単でした。
時間も一つ10分もあれば余裕で終わります。
道具を揃えるコストが一番のハードルですねぇ。
自分はある程度手持ちの道具があったのでやりましたけど。
はんだ付け作業は楽しかったですよ。
今日もお疲れさまでした。